おそらくどこの家庭にもあると思われるこの作品ですが、もう一冊買い足すなら倉橋由美子版でしょう。巻末の訳者あとがきが秀逸で、これだけでも読む値打ちがあると思います。ただし、倉橋版は「大人のため」の星の王子さまですので、本当に子供の心を持ってこの本に接する純真な人にはお勧めできません。Amazonの書評で星ひとつを付けているのはそんな人なのかな。だけど本当は「自分は子供の心を大事に持っている」と思い込んでいる汚い大人こそ、この本で目を覚ますべきなのじゃないか。訳者のねらいはそんなところにあったのではないか。そんな邪推をしています。またこの本は訳者の絶筆であり、あとがきの日付が2005年6月、そして亡くなられたのが同月10日と知った時には驚いてしまいました。
