おそらくどこの家庭にもあると思われるこの作品ですが、もう一冊買い足すなら倉橋由美子版でしょう。巻末の訳者あとがきが秀逸で、これだけでも読む値打ちがあると思います。ただし、倉橋版は「大人のため」の星の王子さまですので、本当に子供の心を持ってこの本に接する純真な人にはお勧めできません。Amazonの書評で星ひとつを付けているのはそんな人なのかな。だけど本当は「自分は子供の心を大事に持っている」と思い込んでいる汚い大人こそ、この本で目を覚ますべきなのじゃないか。訳者のねらいはそんなところにあったのではないか。そんな邪推をしています。またこの本は訳者の絶筆であり、あとがきの日付が2005年6月、そして亡くなられたのが同月10日と知った時には驚いてしまいました。
Grand Blue / Okamoto Island
岡本博文さんのバラードは美しい。美しいのだけれど、それが特別グルーヴィーなリズム・セクションに乗るとそのままで力強さを増してますます輝いてきます。一聴するとイージーなフュージョンのように耳に心地よく響いているのですが、芯に日本のバンドらしからぬ(実際ベースとドラムは海外のひと)グルーブが流れているので知らぬ間に引き込まれてしまいます。気持ちいい、でも本格派の音楽。
Doolittle / Pixies
そのひねくれたポップ・センスでイギリスのバンドかと思っていたらボストンのオルタナティブ系バンドで、REMやソニック・ユースあたりと同じくくりに入るらしい。そういえば確かにギターがオルタナっぽかったり変なシャウトがB-52’sを連想させたりと、アメリカのカレッジチャートに好まれそうなサウンドなのかも知れない。最近お気に入りでよく聴いています。疾走感とポップなところ、そしてぽっかりと落ちていきそうなメロウな部分が奇跡的に溶け合った名盤。The Cureのロバート・スミスが「Monkey Gone To Heaven」をiTunesのセレブリティ・リストに挙げていたよ。
マイルス・エレクトリック / Miles Davis
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マイルス・エレクトリック マイルス・デイヴィス ビデオアーツ・ミュージック 2004-11-25 by G-Tools |
1970年、ワイト島フェスティバルでの約38分の演奏と、共演ミュージシャンその他によるインタビュー。演奏だけなら輸入盤でいいのですが、インタビューが結構長いので自身のない方は国内盤でどうぞ。演奏はマイルスに加えてキース・ジャレット、チック・コリア、ジャック・ディジョネット、ゲイリー・バーツ、デイヴ・ホランド、アイアート・モレイラ。インタビューは彼らの他にハービー・ハンコック、ジョニ・ミッチェル、カルロス・サンタナ、ピート・コージー他と超豪華。この日の演奏は会心の出来だったようで演奏終了後のマイルスのしてやったりな顔がなんとも言えません。素晴らしすぎます。
ユニバーサルHTML/XHTML 神崎 正英
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ユニバーサルHTML/XHTML 神崎 正英 毎日コミュニケーションズ 2000-11 |
ぼくがはじめてホームページを作成した数年前に一番の教科書にした本。
およそ6年半前に出版された本ですが、未だに古くなっていません。それは、この本がWWWの本質を伝えようとしているからです。当時はブラウザ競争華やかなりし頃で、そこいらのHTML解説本も「文字を大きくするには」「字下げするには」といった場当たり的なHowToに終始する中で、この本はWWWを生み出した精神から説いて、なぜ「正しい」HTMLを書くべきなのかという根本を教えてくれました。その方向性は今でも正しく、XHTML+CSSというスタンダードの順守が今日のブログやRSSの発展に寄与しているといえます。参考書というより教科書的な本ですが、読み物としても面白いのは筆者の才能と人柄によるのではないでしょうか。神崎さんのサイト
http://www.kanzaki.com/
を見てもそんな気がします。おすすめです。
クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング
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クチコミの技術 広告に頼らない共感型マーケティング コグレ マサト いしたに まさき 日経BP社 2007-03-29 |
ずいぶんご無沙汰しています。
最近本職の方でWebサイトの面倒を見るようになって手にしたのがこれ。今までほとんど「マーケティング」という観点でインターネットの世界に関わっていなかったのでなかなか新鮮でした。今までよくわからないままに使っていたブログ(に関わる人たちの)世界のあらましが少し分かったし、中で紹介されているツールの使い方など結構面白かったです。実はこの本の売り方自体がこの本で紹介されている口コミマーケティングの実践そのものであるというのがたいしたものです。
スウィングガールズ
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スウィングガールズ スタンダード・エディション 矢口史靖 上野樹里 貫地谷しほり 東宝 2005-03-25 by G-Tools |
当然映画のクライマックスは最後の演奏シーンにあり、そこはとても素晴らしいものだけど、そこへ至る過程がなんとも。劇中で彼女たちが様々な試練を乗り越えていくのと同時に観ている自分も別の試練に耐えなければならない。もっと脚本を練ればもっといい映画になったのにと思うと残念。田舎の女子高生という設定にもかかわらず主役の上野樹里とその他ごくわずかを除いて皆そうは見えず、ある種の不潔感に拒否反応を起こしてしまった・・。最後は気にならなくなったけど。
ロスト・イン・トランスレーション
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ロスト・イン・トランスレーション ソフィア・コッポラ ビル・マーレイ スカーレット・ヨハンソン 東北新社 2004-12-03 by G-Tools |
夜中の三時に何となく目が覚めてしまい、ちょうどレンタルしておいたこの映画を観ました。
主人公の二人も不眠だったようで何となく苦笑。
外国人からみた東京が描かれているわけですが、自分も地方に住んでいるので目線は全く「あっち」側。「悪意や蔑視で描かれている」と憤慨している人は東京の生活にどっぷり浸っているんでしょうね。
全体にハリウッドらしからぬ淡い感じで進んでいく映画で結構気に入ってしまいました。
スカーレット・ヨハンソンがとても可愛かったけどこんな素朴な感じの人だったっけ?
ソフィア・コッポラは私より一つ年下で同世代だからなのか、音楽も良い感じにはまってます。
ビル・マーレイがカラオケでコステロを歌うのが少しうれしかったりして。
パプリカ
今敏監督、筒井康隆原作、マッドハウス制作、声優: 林原めぐみ、江守徹、大塚明夫、古谷徹、山寺宏一、他
昔からの筒井康隆ファンなのでこれは是非!と上京の機会を利用して新宿で観てきました。
筒井氏はフロイトを始め心理学や精神分析に関する造詣が深く、昔から人間の精神世界の内部を刺激するような作品を多く発表しています。昨今よく映画の原作になるフィリップ・K・ディックも同様の世界を描いた優れた作品が多いのですが、何といっても筒井氏は日本人でありますからより我々の無意識に訴えかける度合いが強いのです。「遠い座敷」や「夢の木坂分岐点」、「エロチック街道」などを読めばそれがよく実感出来ると思います。
「パプリカ」は実写では無理でしょうし、最善の手法と思われるアニメによって映画化されました。
ストーリーは思いきりよく単純化され、映像的効果と、そして絞られた登場人物を魅力的に描くことに比重がおかれているように思われます。キャラクターデザインは「千と千尋の神隠し」と同じ人らしく、はからずも「これの大人版があったらなあ」という私の希望が実現されたことになりました。ただ予想(期待)していたよりファニーな印象で、無意識的な「怖さ」はあまり感じられなかったのが残念ですが、まあ、しょうがないかな。精神崩壊した氷室の心象風景や乾精次郎の異教的で淫靡な精神世界の忠実な映像化が観たかったけど本当におかしくなる人が続出するかもしれないし。
客層は私が行った時は子供がおらず老若男女とりまぜでした。
映画はよかったけどやはり原作にはかなわない。ということで本の紹介。
| パプリカ 筒井 康隆 by G-Tools |








